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――日が西に傾き出した頃、シオン首都アウグラティス――
深緑と茶の頭の二人の青年が、石畳の通りを歩いていた。
「…くらえーー!!」
「りゃーー!!」
不意に、小さい子ども二人が彼らに突進した。
「うぉ」
「うわぁ」
彼らは、それぞれ別々の驚き方をして、小さい戦士たちの奇襲を受けた。
子どもたちは、彼らを力いっぱいもみくちゃにして、裏通りに逃げていった。
ここ、アウグラティスの石畳の通りは、広さの割に人が多いため、わんぱくな子どもたちの格好のターゲットもわんさかいるのである。
こういった奇襲は今やアウグラティスの名物となっており、ここを通る人は必ずと言っていいほど、この荒々しい洗礼を受けるのだが……
「……すっかり忘れてましたね」
「……ああ」
彼ら―フェイとアイザック―は、一人は長い髪を整え、もう一人は荷物を確認しだした。
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