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髪を整え終わった青年が、話を切り出した。
「アイザック、貴方の荷物は…?」
「無事だ」
「「よかった…」」
二人は同時に呟いた。
「では、募集会場に行きましょうか」
「…あぁ」
二人が出発しようとした瞬間……
――― ぐい。
「いっ…!?」
フェイは、整えたばかりの髪を何者かに引っ張られた。
突然かつ理不尽な攻撃である。
彼は、また例の洗礼か、と呆れて後ろを振り返ったが、そこにいた人物は、思ったより背がずっと高かった。
「なぁ、シオンで何かやってるって何のことだ?」
その少年は、フェイの髪を掴んだまま、特に悪びれる様子もなく質問してきた。
肩には小さい竜が乗っていた。
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