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「…多分そう「止めときなよ」
ロウマの返事は、何者かに遮られた。
「………ぁ…?」
上を見上げたロウマの視界に、茶髪と黒い目が入った。
「…サン…じゃねぇな……テメー誰だ?」
「サンって誰…私はレオナ。…君、ロウマだっけ?さっきからうるさいんだけど」
少女―レオナ―は、フェイとアイザックの方をチラッと見てからロウマに淡々と説明し始めた。
「…そこの、深緑の髪が長い人は李 飛臣。隣の茶髪の人はアイザック=ウィル。それぞれ海軍と陸軍の最右翼。シオンでは有名人。この二人が受ける採用試験に、君がついていけるとは思えないね。」
「さい…何?」
ロウマはいまいち話が飲み込めていなかった。
「……………」
「……………」
当のフェイとアイザックは、苦笑を浮かべて沈黙したままである。
「ま、仮合格目指して頑張りな」
そう言い残して、レオナは来た方向へ去って行った……
「…何なんだよ…」
ロウマの呟きが、妙にその場に響いた。
日は、もう沈みかけていた。
…to be continued...
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