PHASE1~戦場の貴公子~

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―西暦1x72年― ここは、シオン共和国首都辺境の小さな集落… 東の空が赤く染まるころ… 深緑の髪をした青年は、一本結びの長髪を後ろに長引かせながら、生まれ育った家の扉を後にした。 風は殆どなかったが、この青年の髪は、足を踏み出すと同時に、静かに背中を流れた。 割と大きな河川に、弓なりに架かっている橋に着いたところで、青年は右肩を小突かれた。 右には、青年より背の高い、青年がいた。 「飛臣、お前も志願かよ?」 声をかけた青年は、ニッと笑みを浮かべながら、短い茶髪の後ろに片手をやって、深緑の頭を少しだけ見下ろした。 →NEXT
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