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話している内に、フェイは自分の頭に、昔の、自らの記憶の存在を感じた。
――雨……と、紅。
『雨が酷いなぁ…』
『…飛臣!!逃げなさい…!』
――母と、鎧姿の人間。
『………え…?』
――ザシュッ―――...
『……はや…く……』
――――紅。
『……お母…さん…?』
――――紅。
『…ぁ………うぁ……』
――――紅。
『……ッ…うあ゛あ゛…!』
――――紅。
――紅と、鎧と、少年の涙は、雨音に掻き消された――
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