路地裏の夢

10/17
前へ
/34ページ
次へ
『転換期』   傷ついた鳥を拾う様だった    棄てられた犬を飼う様だった   裏切られた猫を呼ぶ様だった   『あなた達』についてよく考える   私はあなた達と別れる時   飛べる様になった鳥が 元の世界に戻って行く時に自分の世界を悲しく思った    なついた犬が死んだ時 瞳一杯に映る自分がもう二度と見られない事を悲しく思った   いつも呼んでも来ない猫を見かけなくなった時にその小さな存在の大きさを失った事に悲しく思った     悲しい事は沢山あったがあなた達がいなければ   あんなに笑わなかった あんなに穏やかに眠れなかった   世界に色が在ることを 涙に意味が在ることを   知る事が出来なかった
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加