《第一章》

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そんなこんな話している内に僕達が通っている学校が見えてきた。 どこにでもありそうなしがない公立校、快晴高校。 自由な校風が特徴で、立地条件もそれなりに良いので近場に住んでいる生徒からはそれなりに評判の高い学校だ。 ちなみに僕の家からはだいたい自転車で十五分から二十分ぐらいの距離。 僕と里香は校門を抜け、そこからは自転車を押して、駐輪場へと足を運ぶ。 近場から通う生徒が多い分、自転車通学の生徒も多いわけで、駐輪場はただスペースのたくさんある部分に作っちゃえと放り出した感が否めない。 クラスごとにスペースが分けてあり、そこに止めるようになっている。 屋根も何もないので、雨が降った日などは大変だ。 駐輪場へと到着した僕と里香は同じスペースの所に自転車を止め、鍵をかける。 このことから分かるように僕と里香は同じクラスだ。 今まで小、中、高とそこまで同じクラスになったことはないけれど、全くないと言うわけでもない。 ……確かこれを含めて三回目だったはず。 毎日、顔を合わせるわけだけど、やっぱり同じクラスになるのは嬉しい。 それで新しいクラスが決まった時にそれを言ったら、うるさいって言われた。
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