《第一章》

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おこがましくも僕は自分の意見を述べてみる。 隆史と和也の二人の意見にはとうてい及ばないまでも、聞かれたからにはちゃんと返答するのが礼儀だろう。 時には自分の意見をしっかり言うことも大切なので、さらに続ける。 「でも、僕は生脚が一番かな。 何を穿かせるって質問なら、何も穿かせないって答えもあっていいはずだよね? そりゃ確かにニーソやタイツを嗅いだり、吸ったり、擦ったりはしたい。 けれど、生脚は前の三つも出来るし、なにより欲望のまま、自由自在に撫で舐め回す魅力には敵わないよ」 ふぅ、と僕は息を整えた。 まだまだ言い足りない感はあるがこれぐらいが会話の中では適切だろう。 ニーソとタイツを語るには最低でも原稿用紙五十枚はないと語れない。 それぞれの色の持つ特性はもちろんのこと、他のソックスやタイツとの相違点など。 さらにはニーソやタイツの原点から、それがどのような発展を遂げ、どのように分岐し、現代はどのような役割を担っているかなど。 これぐらいでやっと赤点回避と言ったところだ。 まだまだ平均点にも遠く及ばないぞ。
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