《プロローグ》

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「……どうなってるの?」 これが今の僕の正直な感想。 ついさっきまで幼なじみの里香と一緒に帰ってたまでは、いつも通りだったんだ。 でも、今の状況はなんなんだろう? 気が付いたら、どこか知らない所に連れ込まれていて、何か病院にありそうな固いベッドに横になっていた。 また真上には手術室とかにありそうな大きなライトが光を発していて、僕は思わず目を細める。 さらに体を動かそうとしても手首と足首に枷が付けられていて、動くことさえも出来ない。 あっ……そういえば…… しばらくして、だんだんと記憶が戻って来た。 確かいつもみたいに里香と一緒に帰ってると知らない人達に、なぜか僕だけいきなり連れてかれちゃったんだ。 でも、なんで僕だけ!? それにまずなんで連れ去られてるの!? あはは、もしかしてこれが誘拐ってヤツなの? 身の代金持って来い!! とか家に電話して持って来なかったらコイツの命はないぞ!! 的なアレなの? ……僕ん家、そんなにお金ないし、もし払えなかったら臓器とか取られて、外国に売り飛ばされたりするんだろうか? ……そんなわけ……ないよ……ね? ……うん、うん、ないない……多分だけど…… 思考がどんどん暗闇へと引きずり込まれる。 もうどうしようもない状況に現実逃避する余裕さえない。 むしろ思考を停止させたくなるような状態だ。 しかし、そんなことしても仕方ないので、なんとか冷静になれと自分に言い聞かせる。 とりあえず……ここはどこ?
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