《第一章》

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カーテンの隙間から漏れる木漏れ日。 それは闇に満ちた空間に朝の訪れを知らせる。 多少の眩しさに僕の意識は少しずつ、夢の世界から引き戻される。 ピピッ―― 薄い意識の中、起床の時刻を知らせる電子音にすぐさま反応出来たことに対して多少の満足感を覚えながら、僕はベッドから上体を起こした。 変わらぬ日常の始まり。 それはなによりも改変を望み、なによりも改変を恐れるものだ。 僕はベッドから抜け出し、小さくあくびをしたあと、窓辺に降り注ぐ朝日を遮るカーテンを開け放った。 「まぶしっ!!」 遮るものが消えた朝の光は容赦なく僕の視覚を刺激する。 あまりの眩しさに僕は思わず目を細めた。 だが、これもいつものこと。 右手で日の光を隠しながら、左手で部屋の空気を入れ換えるため窓を解き放つ。 同時に小鳥のさえずりが聞こえてきた。 それに耳を傾けながら、二、三度、深呼吸すると朝の新鮮な空気が肺を満たす。 ……朝だな。 なんて呑気なことを考えながら、大きく背伸びをして眠気を覚ます。 今日もまた学校か…… 行くのが嫌なわけではないが、面倒だと思うのも仕方ない。 学生のほとんどはそうだろうと思う。 クローゼットから制服を取り出し、手慣れた手つきでそれに着替える。 冬の到来を感じさせる朝の冷え込みだが、実際はまだ秋の中盤といった所。 これでは冬はベッドから起き上がるのは辛いだろうなとか考えつつ、すこし袖の短くなった学ランに身を包む。 「……ふぅ」 と一呼吸置いてから、僕は自室を後にした。
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