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「……おはよう」
ようやくリビングに顔を出す。
すると香ばしい良い匂いが鼻をついた。
「あっ、おはよう、康介」
台所で朝食を作ってる母親の声がかかる。
僕は、うん、おはよぉーと半分、適当に返すとテーブルについて、テレビをつけた。
だいたい朝のこの時間帯に放送されているのはニュースばかり。
別に見てて楽しいってわけじゃないけど、いつも見てるものだし、今日もなんとなく見る。
今日のニュースはどこかの誰かさんが行方不明になったとかそんな話。
どうせ僕には関係ないけど、少し近所で起こった事件ということもあってたまたま目を惹いた。
「最近、こういうの多いわねぇ……
康介も気を付けなさいよ?」
心配そうな声を上げながら、テーブルへと朝食を並べる。
僕もそれに倣った。
ちなみに今日の朝食は白米と味噌汁。
成長期の高校生からしたら少ないんだろうけど、僕にはこれぐらいは丁度よい。
まぁ、朝食も食べない人もたくさんいるみたいだし、それと比べたら、随分マシだろう。
「うん、分かってる……
いただきます」
僕は手を合わせ、朝食を口へと運ぶ。
白米の甘さが口いっぱいに広がる。
よく噛んだあと、味噌汁を静かに啜って、それを胃袋へと流し込んだ。
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