変化の兆し

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「僕は知りませんよ」 「ん~…じゃあやっぱりあの噂はホントだったのかなぁ」 「噂?なんですか?それ」「そっか、佐藤くんは聞いたことなかったんだ。じゃあ休憩の時に話してあげるよ。とりあえず開店準備しなきゃ」 「あ、はい。わかりました」 (噂…マネキンに関係するってことは怪談とかじゃないだろうな?そんな非現実的な事が…?) そして昼休憩に。 「先輩…それで、噂っていうのは一体?」 「うん、じゃあ話してあげる。あのマネキンの噂っていうのは私の先輩から聞いた話なんだけど────── ガタガタッ 「ん?…誰かいるのか?」 ………… (気のせいか) ヒタヒタ 「え?」 (気のせい、じゃない…これは、足音?でもそれじゃあ誰の?今の時間は自分しか残ってないはず…) ヒタヒタ (や、やっぱり気のせいじゃない!) 「だ、誰だっ!?」 ………… (どこにも、だれもいない…なんなんだ?…あれ?マネキンがひとつ無くなってる…) ──────そして翌日になるとそのマネキンが他のフロアにいたってことがあって、それからマネキンが勝手に動いたって噂が広まったの。ここの先輩達だったらみんな知ってるよ」 「だとしたら今日マネキンが他のフロアにあったのは…」 「マネキンがひとりでに動いたかもしれない」 「まさか…単なる噂でしょう?誰かの仕業ですよ。マネキンが動くなんて」 「だとしたらやっぱり佐藤くんの仕業ってことになるけど?」 「な、僕じゃないですよ!」 「じゃあ誰が?佐藤くん以外人はいなかったんでしょう?」 「そりゃあそうですが…」
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