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9時30分、奥尻島米日本部、
「状況はどうなってます?」
松山はテントに入り、中にいる隊員に聞く。哨戒機の事が気になるようだ。
「先ほど、米軍の哨戒機が撃墜されました。最後の通信にソ連艦隊と、」
隊員は敬礼し言う、その顔には焦りと恐怖が滲み出ていた。
「奥尻全域に警報を出せ!島民を島の裏側の埠頭に移動させろ!」
松山は言い終わると、外から爆音が聞こえる、サイレンが鳴り始め各班長の怒声が響く。
「監視塔から通信!ソ連巡洋艦二隻確認、ミサイル攻撃してきます!」
「守備隊を島民の非難にまわせ!砲台の射撃準備させろ!」
松山はそう言い、テントから出ると双眼鏡で沖を見る。丁度守備隊のMLRSがソ連巡洋艦にミサイルを発射している所であった。
「松山一佐!輸送艦が裏の埠頭に到着したの事です!」
斎藤がテントから出てくる。
「島民の避難を急げ!ここは陥落する。」
松山はMLRSの攻撃で撃沈されたソ連巡洋艦を背に言う。
「まさか、ここには米軍一個大隊と陸自一個大隊がいるのにですか!?」
斎藤は声を荒げる、思わぬ松山の言葉に動揺を隠せない。
「米軍も奥尻から撤退を始めている。我々は米軍守備隊と島民の避難の後に撤退する」松山はそう言いまたテントの中に入っていった。
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