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「そっかぁ。ならよかった」
そういうと先輩は笑いながら僕の隣に座った。
「真緒くんって彼女いるの?」
「か、彼女ですか?」
僕は先輩のいきなりの質問に、びっくりしながらこたえる。
「いないですけど…」
彼女など生まれてこのかたできたことがない。友達には何人か彼女持ちがいるが、僕はいまいちモテなかった。
「そっかぁ…」
先輩はそういうと微笑み、さらに驚く事を言う。
「じゃあわたしと付き合わない?」
思考が完全にストップする。人生の初の告白は、心臓が止まりそうなほど突然にされた。
「…真緒くん?」
僕は先輩に呼ばれてやっとフリーズからぬけだした。
「つ、付き合うって、恋人同士になるってことですか!?」
フリーズがとけても頭は混乱しているらしく当たり前なことを聞いてしまった。
「そうだよ~」
「や、弥生先輩と僕がですか?」
「もちろん♪」
僕は冷めない頭で考える。
先輩は普通にかわいい。長めの黒髪は清楚っぽいし、顔は愛らしく整っている。背は小さめで、抱き締めたらスッポリおさまりそうだ。性格だって優しい。趣味は顔に似合わず漫画らしいけど、それも決してマイナスではない。
つまり先輩はかわいい。
(僕はいま好きな人もいないし付き合うか、しかしそんな気持ちで付き合うのは失礼じゃないか…)
僕が思考の渦に巻き込まれていると、不意に先輩が僕の袖を「クイックイッ」っと引っ張ると、小声に上目遣いにいってきた。
「だめ…?」
「そんなことないです!」
僕は無意識にそういった。
「じゃあ付き合ってくれるのね?」
「いや、あの…」
「やったぁ~♪」
かわいい笑顔で喜ぶ先輩をみて今更付き合えないとは言えなかった
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