19人が本棚に入れています
本棚に追加
/54ページ
250年…私は長く生きている。
私は闇の中でしか行動できない生命体だ
生命体といえば人なるモノは愚かにしか思えない…たかだか100年しか生きれないというのに、虐殺と殺戮を繰り返すあまりで怪物となんらかわりばえのしない下らぬ世界だ。
さぁ…今宵も闇が来る。
今日も狩りをしよう…下らぬ契約だ。
バサッバサッ
教会の屋根から飛び去ったソレは都会へ舞い降りた。
同時刻 渋谷
「まっじで~。
てかさ、そんなのありえなくない?
今どき吸血鬼なんているわけないって」
チャラチャラしていて茶髪で極ミニスカートな少女がとなりにいる真面目そうな少女に声をかけた
「で、でも、観和。
最近行方不明が増えてて危険だって…それに」
少女はその子を止めようとしたけが…
「どうってことないって!
銀の十字架だってあるし…聡子も楽しみなさいよ!」
観和と呼ばれた少女が一蹴し、聡子と呼ばれたモノは後についていた。
約束していた場所へとついた
「おまたせ~」
「おぅ、」
「可愛いねぇ」
「今日は友達連れているんだ?」
そこは使われなくなったボーリング場でやはりチャラチャラした男どもがいた…
「でしょ~。
いいことしましょ!」
観和はそういうと男たちにすりより、服を脱いでいた…
「や、やっぱり私…」
聡子は罪悪感からか帰ろとした…
「今どき純情だな…処女か?」
男の一人が聡子の手をつかんでいた。
「い、嫌…やめてぇ!」
聡子は激しく抵抗した。
その頃には観和は男どもにすっかり犯されていた…
「…うぜぇんだよ!
たかだか下級な人間が抵抗するんじゃねぇ!」
聡子を投げ飛ばすと男は本性をあらわした
黒い翼に鋭い二本の牙…こいつは吸血鬼だった。
「きゃあ!」
壁に激突した聡子は薄れる視界の中、観和を見た…蝙たちに血をすわれ、からからになった姿だった
「クハハ…我々最先端の吸血鬼には十字架も銀もきかぬぇ…貴様もすぐに友達の元へ送ってやる…」
吸血鬼は高笑いをしたかと思うと、口を大きく開き、聡子へ…聡子は恐怖のあまり瞳を閉じた。
そして…
「お前か?
吸血鬼界を追放されたバカなやつは?」
あの吸血鬼とは違う声が響いた…悲しみを秘めつつも強い意思のこもった声。
聡子はゆっくりと眼を開いた。
そこには黒いタキシードを着て、シルクハットを深く被り、朱に輝くステッキを持った、美しくも目鼻立ちのよい男が立っていた。
最初のコメントを投稿しよう!