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―命よりも大切なものを捨てたら、
何になれる?
「…」
思考が逡巡する。
この国には、ヒトという形態と、思考を捨てた狂機械が存在する。
それに、なれという。
口が開く。
応えてはいけない。
だが、
世界は、
既に、
準備されている。
『…』
青の瞳が不機嫌に変わろうとした瞬間。
「分かった」
口はセリフを吐き出していた。
『良かった…▲▲なら、頷いてくれると思ったの』
嬉しそうに変わる表情。
―可愛らしい、愛しい、愛しい、怖い、愛しい、可愛い、恐い、愛しい、愛しい、愛らしい、愛しい、死にたくない、可愛い、可愛らしい、愛しい、愛しい、愛しい…―
他の感情は塗りつぶされる。
『いっぱい敵を倒してきてね?』
―…死にたくない、愛しい、可愛い、可愛い、愛しい、約束を、ヒトでいたい、愛しい、愛しい、守らなければ、愛しい、愛しい、恐い、恐い、愛しい、可愛い、可愛い、可愛い、愛しい、死にたくな…―
僅かな感情さえ、
『愛してるわ』
たった一言で。
―…彼女のために…―
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