第一話 豹変

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―命よりも大切なものを捨てたら、 何になれる? 「…」 思考が逡巡する。 この国には、ヒトという形態と、思考を捨てた狂機械が存在する。 それに、なれという。 口が開く。 応えてはいけない。 だが、 世界は、 既に、 準備されている。 『…』 青の瞳が不機嫌に変わろうとした瞬間。 「分かった」 口はセリフを吐き出していた。 『良かった…▲▲なら、頷いてくれると思ったの』 嬉しそうに変わる表情。 ―可愛らしい、愛しい、愛しい、怖い、愛しい、可愛い、恐い、愛しい、愛しい、愛らしい、愛しい、死にたくない、可愛い、可愛らしい、愛しい、愛しい、愛しい…― 他の感情は塗りつぶされる。 『いっぱい敵を倒してきてね?』 ―…死にたくない、愛しい、可愛い、可愛い、愛しい、約束を、ヒトでいたい、愛しい、愛しい、守らなければ、愛しい、愛しい、恐い、恐い、愛しい、可愛い、可愛い、可愛い、愛しい、死にたくな…― 僅かな感情さえ、 『愛してるわ』 たった一言で。 ―…彼女のために…―
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