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内臓が好きだった。
特に腸が好きだった。
全身に巻いてもまだ先がある。
生暖かく生臭いそれに、生まれた瞬間を垣間見ているのかもしれない。
それが正確には事実に悖ることは知っていても、こんな表現を愛しく思う。
「ずっと取って置けたら良いのに」
ぐしゃ
「すぐ傷むから眠れないじゃないか」
ぐしゃ
「一本しか無いのが悪いんだ」
ぐしゃ
「あ、何本かあっても傷むスピードは」
ぐしゃ
「変わらないか」
ぐしゃぐしゃ
ぐしゃぐしゃぐしゃ
端から靴の踵ですりつぶす。
起きてから暇つぶしにする行動。
食べれたならばもう少し、有効活用が出来るだろうが…残念ながら人肉を食するまでには至ってない。
血くらいなら良いかもしれないが…敢えて啜る必要はないか。
「あー…」
退屈だと零すのも面倒で、声だけを吐き出した。
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