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中年男性より頭一つ分背の低い青年が、僕をみて人差し指を立て唇にあてた。青年は僕に黙っていろと言いたいようだった。僕が口を継ぐんだのを見て、青年は中年男性の手を白い手で優しく撫でた。 「おじさん?…俺じゃダメ?」 そう口にした青年は、僕に向かって手を出した。 「おじさんが買ったガム、ちょうだい」 僕は差し出されたその手にガムとおつりを乗せた。中年男性は彼の腕を両手で撫でまわしていた。 「ねえ、僕?これからホテルなんてど~お~?」 中年男性は青年に向かってそう言った。青年は両手で中年男性の腕を掴むと、笑顔でそれを引っ張った。イヤらしい笑顔を作った中年男性は彼に手を引かれ、コンビニを出た。   「……ッなんだったんだ」 僕の頭は突然の事態に混乱していた。アイツが触った髪も、僕の呼吸も乱れていた。 「あれで良かったんだよな」  あの青年の夢は叶うし、あの中年男性だって…ホモだから、ホモホモ同士合う…だろうし…。あれで良かったんだよな。青年の相手をする奴が現れたってことだもんな。お互いいいパートナーに遇えたってことで…いいんだよな。   僕はまだ笑っている膝に手を置いて溜息を深くついた。    
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