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「あーお腹空いたな」
俺はお腹を擦って時計を見た。
時間はもう夜の7時を回っていた。
「あら、大変。急いでご飯の準備するわね。今日はポトフとロールキャベツを作るわ。スパゲッティも茹でてミートソースでいただきましょう」
母親はにっこり笑ってエプロンをするとキッチンに立ち鼻歌混じりに料理を始めた。
てんとう虫のサンバ。
こんな光景どこかで見たような…。
俺は気を利かせて父親と母親…二人にした。
俺は自分の部屋に入ってガッツポーズをする。
やっと幸せな家族に戻った。
やっと…。
「心の持ちようなんですよ。初心を忘れずお互いを思いやることを忘れない…それができたら幸せな家族でいられますよ」
「うっうわっ。出たなッッ!」
部屋に戻ると既に部屋にはあの不思議な仮面をかぶった男が立っていた。
「家族や仲間を思いやることを忘れず幸せになってください」
男はにっこりと不気味に微笑んだ。
すると、すぅっと俺の目の前から消えた。
本当に夢のようなこの不可解な体験は一生忘れないだろう。
いつか両親にあの日見た過去の出来事を話して見ようか。
笑って聞いてくれるかな。
「今度一緒に指輪のサイズ直しに行こうか」
「えぇ、そうね」
いつまでも笑って思い合って向き合っていたい。
それが俺たち家族の在り方……。
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