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 だが、彼の予想に反して彼女は、「そう。」と、小さく呟いただけだった。口元には、笑みが刻まれていたが、それが自嘲なのか、あるいは諦めなのか、彼には判断することが出来ない。  彼が切り替えせずにいるうちに、彼女の形のよいくちびるが 「ブルー・ムーンを、」 と言った。しばらくして、淡い月光を思わせるカクテルが、彼女の前に出される。
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