0人が本棚に入れています
本棚に追加
「暑ーい!!」
今春めでたく二葉中学に入学した
新月 馨[ニイヅキ カオル]
は体育館の犬走りに仰向けに寝転んで
憎らしい程の青天に向かって叫んだ。
「暑いねー。」
中学生になって初めての友達
満月 縁[ミツキ ユカリ]
は賛同してくれた。
しかし・・・
「なんで縁ばっかりアイス食べてんのー!?」
「職員室で貰った♪」
「ずるーい・・・。ひとくちちょーだい??」
「しょーがないなぁ。」
「縁大好き💓」
私達二人はバスケ部唯一の一年生。
各学年20人ずつで
全校生徒が60人しかいない二葉中学は
私達が卒業する頃には取り壊されるらしい・・・。
少人数でも部活は厳しくて
夏休みだっていうのに毎日学校に来てる私達・・・。
「干からびるー・・・」
「妖怪・なめくじ馨が現れた!!皆の者、出合え出合えー!!」
「なんだとう?!」
縁は私が元気無い時、すぐに面白い事を言って笑わせてくれる。
初めて会ってから三ヶ月しか経ってないのに
些細な気持ちの変化にも気付いてくれる。
私の中で勝手にエスパー疑惑が持ち上がり始めてるんだ・・・*笑*
どうして元気が無いのか?
それは、
「地球のばかやろー!!」
「ま!母なる地球になんて事を・・・!!」
こう暑くちゃ、いくら私でも元気無くすって。
「だいたい温暖化が進んでるのは地球のせいじゃなくて、均衡が保たれてた自然界に我が物顔で立ち入った人間のせいなんだよ??」
「きんこー??」
「・・・。」
「無視しないでー💦」
なぁんて毎日を過ごす私達。
最近刺激がなくてつまんないなぁ😖
「ねぇ馨、今週の土曜日暇?」
「ん??今週の土曜日って言えば、」
「馨の誕生日。でしょ?」
「覚えててくれたの?!」
あんまり嬉しくて跳び起きてしまった・・・。
「もちろん♪だからさ、プレゼントも兼ねてお祭りに行かない?」
「行く!!」
・・・やっぱり縁はエスパーなんじゃないだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!