2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
「おじゃましまーす。ホントにお昼ご馳走になって良いの??」 「平気平気♪」 靴を脱いで廊下に上がる。 私達の声が異様に響くのと縁の不自然さに気付いた。 「・・・`ただいま'って・・・言わないの??」 「え??あぁ、言っても`おかえり'って返ってこないし。」 困ったように笑って答えた縁はやっぱりどこか不自然だった。 「誰もいないのにおじゃましちゃって良いの??💦」 「いるよ??」 ・・・じゃあなんで `おかえり'って 返ってこないの?? なんて 聞けなかった。 「何食べたい??」 私をダイニングへ通した後、キッチンへ向かいながら縁が尋ねる。 「なんでも良いよっ💡」 出来るだけいつも通り答えるとダイニングを見回す。 ・・・普通のお家だよね・・・。 「すぐ準備出来るのはこれくらいかな~。」 そう言いながら縁が持って来たのは レトルトのパックだった。 「ハヤシライスが三種類あって、オススメはこれ♪カレーも三種類で、これはもの凄く辛いの!!で、このクリームシチューはちょっと油っぽいね💦」 事細かにレトルト食品の説明を始める縁。 ・・・縁、いつもこんなもの食べてるの?? 「・・・すぐ出来ないものって、何がある??」 「んっとねー」 恐る恐る聞いてみると縁は冷凍庫からいくつか出してくる。 「ロールキャベツとハンバーグ!!」 ゴロっと音を立ててテーブルの上に転がったロールキャベツとハンバーグは 製品名やらが書かれた冷凍食品だった。 「これは30分くらいかかっちゃうよ😖」 いつもの調子で話す縁。 ・・・私も いつもの調子で話さなきゃ。 「ん~じゃ~あ~、縁のオススメハヤシライス!!」 「アイアイサー♪」 お互い敬礼のポーズをとる。 夏で良かった。 冷や汗を拭いながら安心した。 「あれ??暑い??」 「え?!全然!!クーラー効いてて超涼しい!!」 「そっかぁ。汗拭くならそこのタオル使って良いよ。」 焦った。 「ありがと♪」 レトルトのパックを温める縁の後ろ姿を見つめる。 二人分のご飯をよそいながら 何を考えてるんだろ・・・??
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!