夢の始まり

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キーンコーンカーンコーン   予鈴の鳴り響く音と生徒の声がガヤガヤと響いていた   「おーっす」 「おはよぉ」 「うわっ、居たのか!?」 「るっせぇ」   早朝8時20分 遅刻魔の多いクラスにしては珍しく一人以外遅刻せずに揃っていた   その中、最後の一人【早瀬結城】が教室に入ってきた   「よっ、勝」   早瀬は友達の【谷口勝】の席の前に座った   「んぅ、わぁぁぁ」   谷口は、寝ぼけ眼のまま、力なく早瀬を殴る 毎朝の恒例となった挨拶だ   「うぉっ…って大丈夫か?」   「眠ぃ、フワァァ」   勝は大あくびをしながら背伸びをしていた   「オォッス」   「おう、オッス誠」   「おふぁよぉ」   眼鏡をかけた秀才然としたクラスメイトの【岡村誠】が勝の机に浅く腰掛けながら声をかけてきた   「よっ、結城」   「ん?おう、進」   そして、帝王兼園長兼将軍等々いろいろなニックネームをもつ【高野進】といつものメンバーが揃う ちなみになぜ帝王などという大仰な名前がついているのかというと   「今日も眠いよ…」   「昨夜もハッスルだもんなぁ、ククッ」   「お疲れ、ハハッ」   「こっちにも少しは回せって、ヘヘッ」   「まだ言うかぁ!!」   高野は【ちく○占い】で、直径20cm、長さ30cm、堅さ:カチカチだった事から男の勲章に例えて誠が言い始めたのがきっかけだ   「痛い痛い!!脇毛見せんなぁ!!」   これもまた、お約束というヤツだ   「剛毛なんだからぁ」 「そんなもん見せつけてやんなって」   「オマエラァ!!」   「ちょっ痛っ!ギブギブ!」 とヘッドロックを受ける結城 勝はいつものように笑うだけ   「アッハハハハ」   キーンコーンカーンコーン   そんないつも通りの朝だった
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