牛のバケモノ~タウロス~

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外からはサイレンの音が聞こえる。 誰かが警察を呼んだみたいだ。 「こんなとこにいると事情聴取されちゃうよね。 とりあえず体育館に行かない?」 ひかりは一志に言った。 「そうだね…でもこの刀をなんとかしないと怪しまれちゃうよ」 一志はどこか隠すところはないかと探したが、警察に調べられてはどこに隠してもムダだろうなと思っていた。 「…出したときと反対の動きをすればしまえるかも?」 ひかりはとりあえず言ってみた。 他に思いつかないので一応試してみるか、という気持ちで一志は刀を鞘にしまうようなモーションをやってみた。 すると… 「うっ!…」 刀はまるでマジックの様に一志の手の中に吸い込まれるように消えていった。 「ほ、本当に出来ちゃった… じゃあ行こうか」 「あっ、うん」 ひかりは半分冗談の気持ちで言ったのでちょっとア然としていた。 その頃、ざわついた体育館ではタウロスに殴り飛ばされたゆうきが亡くなった事と一週間学校を休校することが伝えられていた。 ざわつきのなか一志とひかりは体育館にさりげなく紛れ込んでいった。
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