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「いなくなる前、娘さんに変わった様子はなかったんですか?」
「それは警察にも聞かれたけど、特に……戻るまで2分くらいしかかかっていないし、外に出てきたなら気がつく距離なのに……」
話す声は徐々にしぼんでゆく。
最後の方は涙混じりにさえなり、林は両手で頭を抱えてカウンターに突っ伏してしまった。
「あぁ、林さん、大丈夫ですか?」
十夜は、やや慌てて丸椅子から腰を浮かせた。
が、相変わらずのんびりとした口調なので、ちっともあわてているように感じられない。
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