97人が本棚に入れています
本棚に追加
「う~ん……最近て、きっかけとかってあったんですかねぇ。幼稚園で習ったとか?」
「わからない。そのときは気に留めてなかったしな……あぁ、もうこんな時間か」
言って林は立ち上がった。十夜も続いて立ち上がった。
「美緒ちゃんのこと、気にかけておきます。見つけたらすぐ警察に連絡しますから」
「ありがとう」
「きっと見つかりますよ」
その十夜の言葉はすうっと林の心に染み渡った。
一人で気持ちばかり急いていたさっきの自分とは別人に生まれ変わったような気分だ。
林の心の中には、美緒が見つかるという希望が芽生えはじめていた。
最初のコメントを投稿しよう!