2 子守唄

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「さてと……」  一つ呟き、十夜は公園の奥へ向けて歩き出した。  誰かとすれ違うことはない。  先程の式神に『人払いの結界』を張らせたのである。  この結界は、結界内を周囲の人間に「そこにないもの」として認識させる。  そして無意識のうちにその場所を避けるようになるのだ。  十夜は、やがて前方に池を見出した。  そちらの方から、微かに聞こえてくる。  風に乗って流れる、小さな歌声。  静かでやさしい、それでいてどこか物悲しい――。 「子守唄……」  
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