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そのとたん、急激に襲ってきた眩暈(めまい)。
よろけた拍子に民家の塀にぶつかり、そのままずるずると座り込んでしまう。
眼がくらみ、頭の中がぐるぐると回っているような嫌な感覚。
その中で、ラーメンの匂いだけがやけにはっきりと感じられた。
ラーメン!? こんな時に何で……
「……もしもし~? 大丈夫ですか?」
「――!」
眼を開けると、街灯の光に浮かび上がる人影。
驚きのあまり、くらんでいた頭もぱっと目覚めた。
座り込んだまま、眼前に立ちふさがるものを見上げる。
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