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「あなたはその子を側に置いて、満足でしたか? その子の親が今、どんな気持ちでいるか……あなたにはわかるでしょう?」
『ああ……まゆ――』
女はその場にがっくりと膝を落とした。
彼女がまとう青白い炎が、勢いを失っていく。
「僕はあなたを無理に消してしまうつもりはありません。もし良かったら、何があったのか話してくれませんか?」
十夜が近づくと、女は顔を上げた。
その眼にはすでに敵意は無い。
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