2 子守唄

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 美緒は、今の騒ぎにも動じずに先刻から身じろぎひとつしない。  おそらく、女に心を縛られているのだろう。 「僕は八丈部十夜と言います」  十夜は術を解き女に微笑みかけると、手を貸して立ち上がらせた。  女は静かに口を開いた。 「私――山野、宏子……」   
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