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「くそっ、パンクか」
忌々しそうに呟く彼は、気がついていなかった。
タイヤに、白い光をまとう小石が突き刺さったままであるということに。
駐車場の入口にも、光を帯びた結界符――。
もっとも、彼に霊力によるその光を見ることはできなかったろうが――。
スペアのタイヤもなく、彼が携帯電話を取り出したときである。
「どうしました?」
突然の背後からの声に、小川はビクッと振り返った。
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