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女の後ろにいる、もう一人の人物に気がついたのだ。
現れたのは、容姿端麗な青年。
彼は男でありながらも、隣に立つ女よりも妖艶な笑みを浮かべた。
いつもの彼を知るものならば、違和感を感じるであろうその微笑み。
この世のものとは思えぬそれは、小川に十分な恐怖をあたえた。
「さすがに、自分が殺した女(ひと)は忘れられないですか? 小川さん」
「あ……な、そんな、馬鹿な……!」
小川は目の前に在るものを見て狼狽した。
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