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彼は、地面に力なく横たわる十夜のすぐ横まで来て足を止めた。
「いつ見ても、いいもんじゃないなぁ。自分の死体ってのは」
のんびりとつぶやくその人物は、十夜その人だった。
想いを残して死せる者だけが『鬼』となる訳ではない。
生きてなお、鬼のごとき所業に身を染める者もいる。
『約束』を破った彼には、相応の罰を……。
地面に横たわる十夜は、いつの間にか人型の白い紙へと変わっている。
紙に書かれた印と呪が一瞬光ると、その人型は灰になって一陣の風に掻き消えた。
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