3 断罪

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 彼は、地面に力なく横たわる十夜のすぐ横まで来て足を止めた。 「いつ見ても、いいもんじゃないなぁ。自分の死体ってのは」  のんびりとつぶやくその人物は、十夜その人だった。  想いを残して死せる者だけが『鬼』となる訳ではない。  生きてなお、鬼のごとき所業に身を染める者もいる。 『約束』を破った彼には、相応の罰を……。  地面に横たわる十夜は、いつの間にか人型の白い紙へと変わっている。  紙に書かれた印と呪が一瞬光ると、その人型は灰になって一陣の風に掻き消えた。  
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