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恐る恐る近づき、小川は車で跳ね上げたそれをのぞきこんだ。
「ま……まさか、そんな……」
小川は力が抜け、その場に尻餅をついた。
跳ね上げたのは、小さな少女。
しかも、その顔――あのときの……5年前の事故のときと同じなのだ。
これは幻覚だ。さもなくば夢なのだろう。
混乱する思考の中、小川はそう判断した。
恐怖のあまりに、5年前の事故の記憶が自分の中によみがえっているのだ、と。
そう、それならばカーブの先から――。
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