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詰め寄られた小川が言い返した言葉に、彼女は逆上し、小川の襟元に掴みかかる。
どうしたことだろう。
これは夢のはずなのに、リアルな息苦しさが彼を襲った。
小川はたまらず女の細い首に手をかける。
五年前と、同じように。
いや、これは五年前の再現なのだから、同じなのが当然なのか――?
5年前のある夜中、こうして二人の人間を手にかけた。
自分の全てを守るために。
ためらいなどない。
自分の栄誉ある前途と、はかりにかけるまでもないのだ。
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