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見ると、軽トラックを改良した屋台が一台、暗い夜の公園の入り口に暖かい光を灯している。
「いや、でもそれどころじゃ……」
「お急ぎかもしれませんけど、腹が減っては何とやらですよ。さぁさぁ」
それどころじゃないのに、身体は青年に促されるまま屋台の方へと向かっていた。
コンテナの横側が開き、ちょうど庇の代わりになっている。
その端っこにある小さな白い提灯には、味のある筆文字で『十夜』と書かれていた。
男はあれよあれよといううちにカウンターの前にある丸椅子に座らされている。
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