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「今夜最後のお客様、ラーメン屋台『十夜(とおや)』へようこそ」
彼は右手を胸に置き、気取った礼をして見せた。
顔を上げてにっこり微笑むと、今度は自分を指差して言う。
「そして僕が店主の十夜です」
「はぁ……」
男はあっけに取られて、自分より一回りは年下であろう青年を見つめていた。
面食らっている客の様子を気にした様子もなく、十夜は、いそいそと準備を始めている。
「お客さん運がいいですね~。僕が食べちゃおうと思って用意してたのが、ちょうどあがる頃ですよ……はい、どうぞ!」
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