商人と貴族

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自分でも馬鹿げていると思った。 まだ会って間もない人に。 しかも、貴族で…男に。 告白するなんて。 「…シエルこそ、冗談言うなよ…。」 「冗談じゃ、無い。」 「冗談じゃ無かったら、ヤバイんじゃねぇの…?」 「…そう、だな…。」 普通に考えたら、ヤバイよな。 男が、男を好きだなんて。 「…でも俺は、結婚、しなきゃならない。」 …どうしたら…。 どうしたら止められる? 「なぁ、結婚…したいのか…?」 「したいわけ、無いだろ?」 「それなら…、さ。 どうにかして、避けられねぇの?」 「無理、だよ。 魔界の中じゃ、すぐに見つかる…。」 アレクはそう言って、俯く。 「魔、界…?」 「魔界の中しか、行動出来ないだろ…。」 魔界の中で、見つかるというなら。 「天界に、逃げればいいんだ…。」
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