天使と悪魔

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ここは魔界の市場。 悪魔の出している店や、商人の店などでとても賑やかだ。 そこに店を出している、1人の天使の青年。 名は、シエル・サンティア。 金髪に青い瞳。 少しつり目な所を除けば、典型的な天使の容姿だ。 シエルは、商人になってまだ1年の新米。 新米の店には、あまり人は来ない。 シエルは隣の商人の店を眺めてぼーっとしていた。 「何だ、新米! ちゃんと呼び込みしないと客は来ないぞ?」 先輩商人にそう言われても、イマイチやる気が出ない。 悪魔は装飾品で自分を飾るのが好きな種族。 だから、手先の器用な事を生かして装飾品を作ったけれど…。 「あー…、無駄だったな…。」 ボソッとそんな事を吐いて、瞳を閉じる。 「…おい。」 その声に、俺は瞳を開いた。 1人の悪魔が俺の店の前に立っている。 紅の長い髪。それと同じ紅の瞳。白い肌。 歳は俺と同じくらいだろうか。 俺は、その美しい姿に目を奪われていた…。
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