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「アレク…?」
「あ…、何でもない。」
アレクはそう言って俺に笑いかけた。
その笑顔は、無理に作っているようだった。
「なぁ、シエル…?」
「ん?」
「今日…2人だけで会えないか?
大事な話があるんだ…。」
え…。
2人だけ、でって…。
大事な話って…。
いやいやいや。
そんなはず無いけど。
「別に、いいけど…。」
でもさ、もしかしたら…。
市が終わる時間になり、商人や悪魔は片付けを始める。
俺も同じように、片付けを始めた。
アレクは、側にある木の下に座ってそんな風景を眺めていた。
そうしている姿は本当に綺麗で。
また俺は見とれてしまう。
アレクはそんな俺に気付くと、俺の店を指差し、「早く」とでも言うかのように指を動かした。
俺はそれで仕方なく片付けを再開する。
俺は片付けを終え、アレクの下に駆け寄る。
「お待たせ。」
「ん、あっちの方で話しよう。」
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