1人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
仕事帰り、僕と同僚は繁華街からひとつ路地にはいったところにある何の変哲もないバー(強いて言えば少し薄暗い)で安そうなカクテルを傾けていた。カウンターの木目を同僚は上の空でじっと見つめている。
お客は僕と彼だけだった。目立った会話もないまま時間が流れる。
同僚と僕は同じ部署で仕事を初めてから2年になる。勤勉な彼は部署の誰からも頼りにされ、上司からの評価も高い。気の配り方も上手く、近々昇格するのでは?と噂がいつも流れている。
もちろん、僕もそう思っている。
彼の気配りは高校時代の友人並だ。
最初のコメントを投稿しよう!