ミッドナイト┼ラバーズ(竜良)

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「モモタロス!駄目だよ!」 良.太郎が止める声がしてビクッとなった。 モモタロスは「だってよーこのガキが!」とか言ってる。 そんなモモタロスを良.太郎はジーッと見詰めた。 (あ。 むかつく。 むかつく むかつく。 駄目だよ…りょーたろー…。 ボクだけ見てよ。 ボクだけ…。) 「モモタロス?」 「わぁったよ!もうしねぇから睨むな!」 そんな事言ってるモモタロスの顔はいつも以上に赤い。 (モモタロス…むかつく) モモタロスと目が合ったから、おもいっきり睨んでやった。 ───* モモタロスがいなくなって二人だけの車両。 でもボクの心臓はチクチクムカムカする。 (駄目だってば! ボクにだけ! ボクだけだよ!!!) 「りょーたろーっ!」 我慢できなくなって ボクは良.太郎に飛び付いた。 良.太郎は短い悲鳴を上げてボクの方を振り向く。 「どうしたのリュウタロス?」 どうしたも…こうしたもないょ。 「りょーたろーは…りょーたろーはボクのなのにぃ…ぅぅっ」 なんでボクは泣いてるんだろ。 涙が止まらなかった。悔しい。悔しい。 そんなボクの頭を良.太郎は優しくなでなでしてくれた。 きっと良.太郎はわかってない。 ボクがどんなに良.太郎のこと好きかって…愛しちゃってるかって。 わかってくれてない。 悔しい! 「リュウタロス?大丈夫だよ。モモタロス、もう怒らないから。ね?」 ばか!ばか!! りょーたろーのばか! 違うよ! モモタロスなんかどーでもいいのにっ! 違うでしょ?! 謝ってよっ。 『ボク以外を見てごめんなさい』って。 「…リュウタロス?」 誓ってよ! 『リュウタロスとずっと一緒にいる』って。 言ってくれなきゃ いやだ!いやだ!いやだ! 「……りょーたろー」「ん?なぁに?リュウタロス」 言って! 「好き、って言ってよ」 「……え」 言ってよ! 「ボクのこと好き、って言って。」 「…でも「言って!!」
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