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『あぁ…息が出来ない』
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「良太郎。
恋って気持ち良い?」
いつものデンライナーの中。
向かい合わせの席に座って、良太郎に笑顔付きで聞いてみると
良太郎は目を見開いて固まった。
顔には
「なんでそんな事、僕に聞くのぉ~;
それはウラの得意分野でしょ~!」
と、ハッキリクッキリ書いてあった。
そんな良太郎を見て
少し機嫌のよくなった僕は笑い声を堪えようともせずに続けた。
「ふふふ…
いやぁ、良太郎は恋すると気持ち良いのかな…それとも苦しいのかな…どっちかなー…と思って。
参考までに教えてほしいなっw」
すると彼は更に困った顔になる。
「……僕は…わからないけど…恋すると…気持ちは良いんじゃないかな?…だって人を特別に好きになるわけだし…//;」
へー…
そっかぁ…
「良太郎は気持ち良いんだ…」
「いや…だから!
あくまで想像ね;
僕にはわからないよ。…その…恋なんて…したことないし…」
語尾を濁しながら良太郎は呟いた。
「じゃあ、良太郎が誰かを特別好きになったら…初恋ってわけだよね~。」
「え~~っ!?///
そ、そりゃそうだけど…;;;」
良太郎が困った顔をする度に…。
少し嬉しい僕がいる。
それはきっと、良い事ではないんだろうけどね。でもさぁ…
ねぇ?良太郎…
「…良太郎。
気をつけてね。」
そう…
気をつけて…
「恋ってさぁ…
綺麗なものばかりじゃないから…。
理想は…ほら。
素敵な恋だけど…」
恋って汚い。
なりふりかまっていられない。
余裕なんてない。
手段なんて選べない。
あ。
また困った苦笑い。
でも…それさえも
僕に向けてくれる
笑顔に違いないよね。
どんなに
自分らしくない罠だって…嘘だって…
(君を手に入れる為なら
なんて事ないんだよ。)
でも…
なんでかな…
凄く切ないのは…
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