息もできない…(浦良)

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「…うーん。 僕は恋…とかそうゆうの、縁がないのかも; それに僕…こんな…だし…」 良太郎は人差し指と人差し指を突き合わせて居づらそうに視線を落とした。 「…こんな?」 「…うん…」 「…どんな?」 「ぅ………;///」 良太郎が言おうとしてる事はなんとなくわかるんだけどね。 少しイジワル。 本当は言ってあげたいんだけどね。 『どんな良太郎も魅力的でたまらないよ』…って。 言って………… しまえるわけないけど 言えたら良いのに… 僕ってば てんで弱虫だな。 自分から釣られに行くのは無理だよ。 だって針の先には… 水面には… 太陽がキラキラ光って眩しいのに… 手を伸ばせば届くのに… 僕は水から出たら 息の仕方がわからないんだ…。 ねぇ… 良太郎… 君が教えてよ。 君じゃなきゃ… 君じゃなくちゃ… 駄目だよ。 …嫌だよ。 君から言って。 お願いだから。 気付いて。 釣られて。 僕の精一杯の罠に… 良太郎… ごめんね。ごめんね。 水から出るのは やっぱり恐い。 僕は 君の弱さも… 強さも… 利用する。 水の中での呼吸なら 僕が教えてあげるから 『早く飛び込んでよ』 なんなら… 突き落として… 無理矢理溺れさせようか… ねぇ…良太郎… どうしよう… 僕…どうすれば… 「…う…ら? 何で泣きそうなの?」 「……ん?泣いてないよ?」 「ウラ…。ウラタロス…? 何で?何で泣いてるの?ねぇ…言ってくれないと…僕わからない」 「泣いてないよ。 …泣かないよ。 『泣けないよ…』 なんでもないから 良太郎…なんでもないんだよ。 『罰だから…この辛さも苦さも…全部全部』 」 「ウラ…っ!!///泣かないで…」 良太郎が僕をギュッと抱きしめる。 「…なんで泣くの? どうしたの?どこか痛いの?」 「……うん。 ちょっと…だけ…痛いなぁ…」 あぁ… 僕ってズルイなぁ…。 これから僕が君にする事の方が…もっと…もっと…酷いのにね。 僕が苦しんで良いわけないのにね。 僕はズルイから… 「…良太郎…苦しいよ…どうしよう…苦しい…」 ホントの愛がこんなに重いなんて… 『ねぇ…息の仕方もわからない』 end
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