116人が本棚に入れています
本棚に追加
「………髪が…」
そう、髪が…
『髪?』
「…髪が……………………凄く好きなんだ」
(髪型が凄く…)
似てた…。
(だから…誰に?;)
巧い嘘さえつけない。
…そんなの呼吸ができない魚と一緒だ。
───…次の日の夜も良.太郎に憑依してナンパした。
するとまた良.太郎が起きてきてストップコール。
『…今日の子は何処が好きなの?』
「…えっと…指が…」
指が似てたんだよ。
──次の日も…
『………今日は?』
「…………目;」
似てた。似てた。
いったい誰に似てるのかわからないのに…
(一体僕は誰を探してるんだろうね…)
──…そして次の日。
最近良.太郎に嘘がつけない…。
ついても、バレる。
原因は僕の罪悪感。
何処からくるのかわからない…変な罪悪感。
とくに例のナンパは『好きな理由』を言う度に良.太郎が『…ふーん』と、どうでも良いような返事を返す。
僕はどうも、その反応が…むかつく…悲しい……恐い。
しかし、今日こそ…
今日…こそ?
なんかわからないけど…まぁ、今日は良.太郎に邪魔されないと良いな。
…きっと…あそこで止められるから…
真相がわからないんだよ。
だから…良.太郎
「ごめんね」
僕は昼の内に良.太郎に憑依すると、自ら三浦に催眠術を頼んだ。(ちゃんと効くって保証は無いけどね)
「最近…よく眠れなくて…三浦さんしか頼れる人がいないんです」
実際、藁にしがみつくような気持ちだった。
「任せてよ!良.太郎君っ!!夜ぐっすり寝れるようにすれば良いんだよね?」
「はい。お願いします」
効くんだろうか…?
まず僕が、こんな事に頼ること自体が有り得ないと思ってたんだけどな…。
なんだか僕、
焦ってるみたいだ…。
そんな事を考えながら三浦の怪しい催眠道具を睨みつけた。
最初のコメントを投稿しよう!