序章

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きれいな町の丘の上に建つ青い屋根・黒いレンガの小さな洋館。 僕と君の家。 君は白いレースのたくさんついた青いエプロンドレスを身に纏って不思議そうにあたりを見回している。 「ここはどこ……?」 シンとした部屋の中。 君は耐えられないように廊下へ出てくる。 僕は楽しくて思わず笑ってしまった。 「誰!?」 振り返り揺れる君の髪はまるで金の絹糸。 細くて軽く、いいにおいがする。 「誰…?」 不安そうにあたりを見回す君。 「君はやっぱり素敵だね」 思わず声をかけてしまった。 「君は僕のこと捕まえられるかな?」 「つかまえる…?」 君は僕を探そうとしている。 僕は暗がりにいるからきっと見つからない。 「そうだよ?僕を捕まえられたらこの家から出してあげる」 僕は簡単に ルールを説明した。
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