大好き

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私はサイトを開いていた、もちろん更新はマメにしているつもりで届いていないだろうと気ままに受信箱を見れば見慣れないメアドを見つけた “はじめまして、よかったら友達になって下さい” 始めはまあ、いいかなと軽く思いながらメールを返し、早々と短文を返信して返事を待つ “構いませんよ、よろしくお願いします” 待っていると着信音が鳴り響いて即座に携帯を手に取って返事を見つめた。 そしてメールをしていくうちに待ち遠しくなる。 なぜか胸が跳ねる、ああきっと好きなんだ確信をしながらいつの間にかメールを打って送信ボタンを押していた “好きです” 待つ時間はありえない程長くて、着信音が鳴るたびに一喜一憂 そして一時間位だろうか着信音が鳴り “私も、好きです” この時の幸せは忘れないだろうずっとずっと、そして遠距離だけれど一番幸せな恋愛が始まった メールで話したり、電話で愛を囁いたり 遠くて淋しくないと言えば嘘になるだろうが幸せだったのは確かで あっという間に5ヶ月記念になり 一番にメールすればすぐに返ってきた、けどその返信は疑問を持つ物で “アリスは僕が消えたらどうする?” “え、何かあった?” “別に、だけど聞きたい” “神様を恨んで、悲しむよ?僕には依織しかいないんだから” “そっかよかった、愛してるよ” それを最後にメールは途切れた。 心配したけど明日になれば、なんて考えだったのが悪かったのかもしれない 何ヵ月経ってもメールは疎か電話すら来ず待つ日々 半年記念も一人 そして不意に着信音がなる 期待したのにディスプレイには公衆電話からの電話 恐る恐る出れば“アリスさん?”と中年の女性の声が聞こえてきた だけど判断力なんてない、直ぐ様声に出してしまう 「もしかして…ねぇっ…」 「…ごめんなさいね、あの子じゃなく母なの…」 「あ…すみ、ません…はじめ…まして…」 やはりと言う落胆と聞きたくないと言う悲しみできっと惨めだっただろう、涙で声は擦れていながらも電話をして 「…あの子ね、死…んじゃったのよ…」 今は有名になってきたでしょう、彼は“白血病”に蝕まれていたそうです。 ドナーが現れないまま消えていった 聞いた瞬間、周りに色がなくなった気がした
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