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少年は生きる術を覚えた。
盗み
醜く太った大人達には追いつけない。
少年は走る まるで風のように
蒼く、キラキラ輝く彼の足跡。
後ろを振り向いても誰もいない
あるのは空腹と虚しさだけ。
今、少年は空腹を満たすのが全て、是も非も超え、ただ走る。
見える小さな丘、少年は一人になるためにスピードを上げた
腐った世界に少年は背を向ける
誰もついて来るな、そんな寂しいオーラを出す背中
誰が少年の思いに気づく?
神か?それとも…
走りながら今日の勝利品を握り締める少年は
これが生きるために必要なものなんだ。とでも言いたそうな顔をした。
少年は少しスピードを落として丘に登る。
そして腰をおろして汚れた街をみた。
繁華街から少し離れた場所に少年は目を落す。
寂れた街 孤児達があてもなく彷徨う、少年もその中の一人だ
みんな生きる為に毎日を必死に生きている。
何の為に生きるのか
それを知る者はその中にはいない
夢は見れない、仲間なんて…
友達なんて出来るはずがない。
いつも独り
寂しいがどうしようもない
「愛が欲しい」なんて言えやしない
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