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「はい、ご飯。
今日はサラダじゃなくて、サーモンとトマトのマリネにしてみたの!自信作よ!!」
「いただきまぁす!」
朔華はゆっくりとマリネを口に運んだ。
「おいしい!さっぱりしてる。」
「でしょ!
サーモンの脂っこさが消えるでしょ。」
二人がマリネについて語っていると、
「朝から元気だね、二人とも。おはよう。」
朔華の父・仁(じん)が起きてきた。
「朔、今日から修学旅行だろ?早く食べなくていいのか?」
「あ゛!!
やっば……。」
朔華は仁の指摘を受けて、慌てて食べ始めた。
そんな朔華を尻目に、燈織と仁は二人の世界を造り上げていった。
「仁。おはよう。」
「おはよう。燈織。
今日もキレイだね。愛してるよ。」
「私もよ。愛してるわ。」
二人は軽くくちづたけた。
「お二人さん。邪魔して悪いんだけど、そろそろ空港まで送ってくださらない??」
二人の世界は朔華の一言で壊された。
が、二人はさっぱり気にしていない。
「それじゃあ、オレが送って来るよ。
帰って来たら、二人の時間を存分に楽しもうね。」
「えぇ、行ってらっしゃい、朔ちゃん、仁。」
朔華はそんな二人をニコニコ笑いながら見ていた。
「二人が仲良いのが一番だよね。」
などと普通に思っているあたり、朔華もいい加減毒されている。
まぁ、邪魔者扱いであっても、愛されていることを自覚しているからだということにしておこう。(あながちハズレではないのだか。)
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