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「おっはよう!!
祈(いのり)。」
「朔。おはよう。楽しみねぇ、京都。」
「ね!私京都初めて!!」
空港につくと、そこには既に一番の友だちである新村 祈(にいむら いのり)が来ていた。
「やぁ、祈ちゃん。久し振りだね。」
仁は、優雅に祈に近付き、話し掛けた。
仁も祈も相当に顔が良いので異様に絵になる。
そんな二人に多くの人々が振返って行く。
本当のところ「朔華含む」なのだが本人はさっぱり気付いていない。
「あら、おじ様。お久し振りです。」
「気をつけて行っておいで。朔華を頼んだよ。」
「もちろんですわ。朔華をそんじょそこらの馬の骨なんかに渡すわけがないじゃあありませんか。」
「まったくだよねぇ。朔にはオレぐらいの良い男じゃなきゃ話にならないさ。」
「えぇ。おじ様は最低レベルですわ。
相当少ないですわよ。ふふ。」
「そうだね。まあ、そう簡単には渡さないさ。もし奪うなら…生きながらにして死んだ方がマシだと思わせてあげるし…。」
「あら、おじ様ステキ。私もお手伝いいたしましてよ。」
いつの間にか論点がズレ、さらに会話の内容は黒さを増して行った。
しかし、それさえも美しさというものは隠してしまうということに、今更ながら改めて気付いた朔華だった。
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